死まで至らなくても、腎障害で慢性腎臓病(CKD)になって悪化した場合には、生涯、人工透析を受けることになり、著しくQOL(生活の質)を低下させるケースもあるのです。
薬剤性腎障害を引き起こす可能性がある薬は意外と身近にあります。
抗がん剤を除くと、「解熱鎮痛薬(非ステロイド性抗炎症薬=NSAIDs)」と「抗生剤」が上位に挙がります。これらの薬は風邪をひいた時によく処方されますので、誰しも一度くらいは飲んだことがあるでしょう。過剰に心配する必要はありませんが、身近であるからこそ「適正使用」が重要になります。
抗生剤の処方は短期間の場合が多いですが、NSAIDsは鎮痛薬でもありますので、慢性腰痛などでも処方され、漫然と飲み続けている患者さんは要注意です。定期的に血液検査を受けて腎機能を確認し、痛みが長引く場合は、腎障害の出ない鎮痛薬への変更も考えた方がよいかもしれません。身近な分、副作用を軽視されがちな鎮痛薬の使用には、十分に気をつけましょう。
クスリと正しく付き合う