専門医がポイント解説 必要最低限の薬で「うつ病」を治す

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 薬を飲んでいるのにうつ病が良くならないのは、もしかしたらもとの原因が解決されていないからかもしれない。

 うつ病の症状と原因を4層のピラミッド(イラスト「心の不調ピラミッド診断法」参照)から読み解き治療を行っているのが、「千村クリニック」(東京・豊島区)の千村晃院長だ。目に見えて表れる症状はピラミッドの「4階」で、それらの原因として考えられる職場や家庭などからくるストレスは「3階」に該当する。

「一般的にこれらに対して治療をし、環境改善をはかったりしますが、実は目に見えていない部分、本人が自覚していない部分こそが現在の症状に関係している。それがピラミッドの『2階』、さらに『1階』です」

 Aさんは子供の頃、小柄な体形で運動神経が鈍く、小学・中学時代は同級生にからかわれることが多かった。就職して一人暮らしを始めると、食生活はインスタント食品か市販の弁当が中心になり、体調を崩しがちになった。会社の体育会系の社風についていけず、ちょっとした冗談でも「否定された」と気にする毎日が続き、うつ状態や不眠に悩むようになり、うつ病と診断された――。

1 / 3 ページ

関連記事