専門医がポイント解説 必要最低限の薬で「うつ病」を治す

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 鉄欠乏性貧血、甲状腺機能亢進症・低下症、睡眠時無呼吸症候群、LOH症候群(男性の更年期障害)などだ。ビタミン、ミネラルの不足、何らかのホルモン分泌異常なども無視できない。千村院長は、血液検査、体重、血圧、体温など身体検査を入念に行ってデータを慎重にチェックする。患者の納得のもと、ビタミン、ミネラルなどを調べる保険適用外の検査を行うこともある。

「体の病気が長く放置されたことに成育歴や栄養状態が重なり、こじれたうつ病状態になっている人もいます」

 体の病気があればその治療、加えてカウンセラーによる認知行動療法や勉強会などの定期的な実施によって、千村クリニックでは必要最低限の薬の使用でうつ病の回復と再発防止を目指す。

 これまで他院で複数の薬を処方されていた人は、健康、栄養、運動に気を付け、生活習慣を改善しながら少しずつ減薬し、半年から1年ほどで断薬に至る。ただし、問題が根深い場合は、数年かけて取り込む必要があるという。

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