ただ、その後も2週間に1回のスケジュールで同じ治療を繰り返されることになり、Yさんは悩みました。
Yさんは今の会社に再就職したばかりで、営業の責任者を任されています。月曜日から金曜日までは出勤することができないとなれば、会社を辞めるしかないと思い詰めていたのです。Yさんは難しいだろうと思いながらも、担当医に「土曜日の外来治療は無理でしょうか?」と尋ねてみました。すると、担当医は「土曜日は、私か当番の医師が出勤します。看護科と薬剤科にも大丈夫か聞いてみます。インフューザーポンプは、月曜日の朝、出勤の前に外せますね」と快諾。結局、土曜日の外来治療がOKとなったのです。
そのおかげもあって、副作用でムカムカした感じは残っているものの、表面上はあたかも何事もなかったように月曜日から出勤できるようになりました。Yさんはその後も会社を休まずに元気に仕事を続け、5回の治療で両肺の影は消失。すでに抗がん剤治療を終了し、再発は見られていません。営業成績も良好だそうで、Yさんは「神様みたい。命の恩人」と、病院に感謝していました。
がんと向き合い生きていく