喉に点在していたがんもその辺りからどんどん小さくなり、最終的にはすべてきれいになくなった。
「女房には電話で『今日はこうでああで、小さくなってるって』という話はしていました。でも、『そう、良かったわね』というくらいでそんなに大きなリアクションはありませんでしたよ(笑い)」
ただ、退院する際になっても、1カ所だけ頚部のあずき大のしこりが最後まで残っていた。
「これはなくならないものなのかと思っていたら、先生が『これはあまり気にしなくて大丈夫。そのうちなくなりますから』と言われましてね。本当に退院後2カ月ぐらいできれいになくなりました。最初にがんに気づかせてくれて、治療の最後まで見届けてくれたような存在ですね。あのしこりがなかったら、がんの存在がわからなかったわけですから、『しこりよ、ありがとう』です」
末期がんからの生還者たち