アトピー性皮膚炎なら 失明につながる目の病気に要注意

10代、20代での発症も(左は清澤眼科医院の清澤源弘院長)/(提供写真)

 白内障はカメラのレンズにあたる目の水晶体が白く濁り、視力が低下する病気。光をまぶしく感じたり、物が二重に見えたりする。やがて視力が低下し失明することもある。多くは加齢が原因で60代以上の発症が多い。

「ところが、アトピー性皮膚炎に伴う白内障の年齢分布は14~43歳に広がっていて、その平均年齢は23歳。男女差はなく、男性では31%、女性では18%がすでに白内障を持っていました。アトピー性皮膚炎患者の当時の白内障有病率は国内外の文献でも10~37%。そのうち両眼に水晶体の混濁があるものが75%。アトピー性白内障は両眼に出やすい特徴があります」

■10代、20代での発症も

 またアトピー性白内障は後嚢下白内障が多いことが知られている。

「ひと口に白内障といっても水晶体のどこが濁るかにより種類が分かれます。水晶体の中央の『核』から濁りが出てくる核白内障、核の周りの皮質から濁りが生じる皮質白内障、それに水晶体の後ろの嚢部分が濁る後嚢下白内障です。加齢による白内障は核や皮質が濁るのが一般的で、強度近視では核が濁ります。それとは違って、アトピー性白内障は後嚢にも多く見られます」

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