Yさんは、担当医から「骨が折れそうな箇所がたくさんあります。注意して動くように」と言われました。しかし、入院の翌日に、その不安が的中してしまいます。朝食を食べようとして起き上がる際、右手をつくと激痛があり、かばって左手をついたら左手にも痛みが走ったのです。両腕の「病的骨折」(溶骨したところの骨折)でした。
Yさんは両前腕を固定しながら、化学療法と放射線治療を受けました。5カ月ほどの入院治療によって病状は改善し、腰痛も減少、Mタンパク量の減少を認め、輸血によって貧血も改善したことで、その後は外来での治療となりました。
しばらく病状は安定していましたが、3年後に再びMタンパク量が増え、帯状疱疹、発熱などで入退院を繰り返しました。そして診断から約4年後、両側の肺炎を合併して残念ながら亡くなられました。
■発病の年齢にはバラつきが
がんと向き合い生きていく