腫瘍化した形質細胞は骨を破壊して折れやすくし(溶骨病変)、骨髄では血がつくれなくなり(貧血)ます。さらにMタンパクが増えて、血液中で過粘稠度症候群、腎不全、高カルシウム血症などを起こす「症候性骨髄腫」(Yさんはこの病気でした)になると、全身化学療法による治療が必要です。また、感染にも弱くなります。
一方、異常タンパクのみでタンパク量も少なく増加しない「無症候性骨髄腫」の場合(Cさんがこちらの種類でした)、多くは無治療で経過観察となるのです。
発病の年齢にはばらつきがありますが、50~60代に多くみられます。タンパク電気泳動や免疫電気泳動によるMタンパクの有無、尿タンパク検査、骨髄検査、全身骨X線や全身CT検査による骨髄以外の病変の有無などで診断します。
治療は、抗がん剤、副腎皮質ホルモン剤療法が長い間行われてきましたが、最近はサリドマイドや分子標的薬なども使われます。そうした薬剤治療でコントロールするのが主流ですが、65歳未満の患者さんは、完治させるために骨髄移植の対象にもなります。
また、「症候性」の場合と「無症候性」の場合では病状や経過が大きく異なり、個人差もみられます。いずれにせよ、血液内科の専門医による診察が必要です。
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