若くしてコレステロールが高ければ「家族性」を疑う

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「専門医を除けば、家族性高コレステロール血症の診察がまだ十分ではない。見落とされている患者は多いでしょう」

 こう指摘するのは、帝京大学臨床研究センター長の寺本民生医師だ。

■新薬投与で「悪玉」を積極的に下げる

 家族性高コレステロール血症は生まれつきの疾患だ。肝臓の細胞表面にあるタンパク質「LDL受容体」の遺伝子やそれに関連する遺伝子(PCSK9やアポB―100)に異常がある。

 そのため血液中のLDLコレステロールが細胞内に取り込まれず、血液中にたまりやすくなる。「生まれつき総コレステロールの値が高い」「30代など若い年代で冠動脈疾患を発症している」などが家族性高コレステロール血症の特徴だ。

「かつては500人に1人程度といわれていましたが、実際は想定以上に多く、250~260人に1人と考えられています」(寺本医師)

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