アメリカ疾病対策センターが「国民の7割が太りすぎ、4割が肥満症」というショッキングな数字を発表しました。
太りすぎの基準はBMI(ボディーマス指数=体重を身長の2乗で割ったもの)が25以上。30以上になると「肥満症」となり、心臓疾患や糖尿病などあらゆる病気を併発することはご存じの通りです。
アメリカでは1990年には肥満症は国民の10%ほどでした。ところが10年ほど前に肥満症が人口の3割を超え、危険信号がともっていました。これに対し、さまざまなダイエットブームや、エクササイズのトレンドが生まれ、ベジタリアンやビーガンにトライする人も増えています。にもかかわらず、アメリカ人の肥大化は全くスローダウンする気配がありません。
唯一の希望は20歳以下の子供と若者の肥満の推移です。この年代での肥満症は、2000年以降、15%と19%の間でほぼ横ばいを続けています。
子供にファストフードを食べさせない、学校の自販機に砂糖入りジュースやカロリーの高いお菓子などを置かないなどの対策や、元ファーストレディーのミシェル・オバマさんが推奨していた「もっと動こう!」などのメッセージが多少は功を奏しているのかもしれません。
一方、WHO(世界保健機関)によれば、若年層の肥満は経済発展に伴い世界的な傾向となっています。特に0~5歳の幼児の肥満症は1990年の3200万人から、2016年は4100万人に増加。特にポリネシア、ミクロネシア、中東、アフリカ、カリブの島々などの発展途上国で深刻化し、中でもアフリカでは過去約30年間に肥満症の幼児が2倍以上に増えました。
WHOでは「このままいくと肥満症の幼児の数は2025年には7000万人に達する」と警告しています。
ニューヨークからお届けします。