専門医が指摘 糖尿病で怖い「合併症」招きやすい人の共通点

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 しかし、Kさんは大の酒好きで、たばこもやめられない。就業時間が不規則なうえ、独身だったこともあり、食事は深夜にラーメンや牛丼をドカ食いする日々が続いた。仕事がら運転席に長時間座っていることが多く、体を動かす機会はほとんどない。仕事が立て込んで病院に行けず、治療を中断することもあった。 そんなKさんは、ある日、小指の付け根に黒いアザのようなものができていることに気づく。しかし、痛くも痒くもなかったのでそのまま放置していると、徐々に大きくなってきた。触るとブヨブヨとした感触があったため、糖尿病治療を受けている病院を受診した。 まずは下肢の血流を回復させるためのカテーテル治療を受けたが、思ったように改善しない。そのうち、患部がかさぶたのようになって表面が破け、腐敗した組織の下から骨が見えている状態まで悪化。それ以上、壊疽が広がらないようにするため、親指以外の4本を切断することになった。 現在、歩行リハビリを受けているKさんは、「もっと早くきちんと治療を始めて、もっと真剣に生活習慣の改善に取り組んでいれば……」と後悔している。

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