皮膚を科学する

日焼けをするとなぜ黒くなるのか? 皮膚科医に聞いた

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 メラノサイトは加齢とともに機能が低下し、数が減少するが、もともとの数は人によって違いはないという。

 では、日焼けして黒くなる人とならない人がいるのはなぜなのか。特に色白の肌の人は、すぐ赤くなるが、その後は黒くならない人が多い。

「人に見られるメラニンは黒色の『ユーメラニン』と黄色の『フェオメラニン』の2種類があります。そして、そのどちらの比率が多いかによって、個々に皮膚や髪の色に違いが出ます。ですから、急激に黒くなる人はユーメラニンの割合が多い、黒くならない人はフェオメラニンの割合が多いのです」

 人種による肌の色の違いも同じメカニズム。白人のメラニンにはフェオメラニンが多く含まれ、黒人はユーメラニンが多いとされている。日本人などの黄色人種は、その混合タイプだ。それに黄色人種や白色人種のメラニンは表皮の深い層にだけあるが、黒色人種のメラニンは顆粒が大きく、表皮全体にわたって存在するという。

「黒色人種の肌の黒さは進化の過程でもたらされたもので、確かに紫外線による皮膚がんは起こりにくい。しかし、だからといって黄色人種の私たちが日焼けをして黒くなっても、本末転倒で逆に危ない。色白の人ほど紫外線対策が大切です」

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