胃の不調を軽んじない “みぞおち痛”は命に関わる病気かも

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 他院で胃潰瘍の疑いがあると診断された男性が薬を飲んでもみぞおちの痛みが改善されないことで来院。エコー検査を行ったところ、肝臓に8センチ大のがんが見つかったケースもある。

「肝臓は『沈黙の臓器』と呼ばれ、痛みを感じる神経がありません。肝臓にできたがんが大きくなってきて、肝臓の被膜が引き伸ばされることでみぞおち付近に痛みを感じるようになります」

 みぞおちの痛みは、本人には胃の痛みとして認識される。しかし、そう思い込んでいると、重大病を見逃すことにもなりかねない。

「医師の中にも、みぞおちの痛み=胃の痛みと思い込んでいる人がいるので注意してください。みぞおちの痛みで医者にかかる時は、胃カメラ検査と一緒に腹部エコー検査や造影CT検査を行ってもらうようにしましょう。胃や腸の中にはガスがあってエコーでは見ることができないため、胃カメラは必要です。しかし、逆に胃カメラでは膵臓や肝臓などは見えません。胃の周囲にある膵臓、肝臓、胆のう、胆管といった臓器はエコーやCTで見る必要があります」

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