年齢とともに増える物忘れ。その原因は海馬にある神経細胞の機能低下にあった。高齢になっても物忘れが少なく、若い脳をキープしている人は何が違うのか? そこには「性格」が絡んでいると米山医院・米山公啓院長が言う。
「心配性でネガティブな人や神経質な人は、物忘れになりやすいと言えます。なぜなら、ストレスをため込みやすいからです」
ストレスにさらされると、副腎からストレスホルモン・コルチゾールが分泌され脳に吸収される。ストレスが慢性的にかかり続けると、脳内のコルチゾールが増えすぎて、海馬の神経細胞が破壊される。これが「キラーストレス」と呼ばれるストレスの恐ろしさだ。
「ストレスを回避するためには、人と話をして発散すること。逆に言えば、話し相手がいない人は危険です」(米山院長)
社交的でなく友達が少ない人、自分勝手で孤立している人などは物忘れしやすいのだ。
さらに、眞田クリニック・眞田祥一院長はこう指摘する。
「気持ちが沈みがちな人は、行動力が低下しています。行動力が低下すると、手足を動かさなくなる。すると脳血管障害から認知症になる確率が高まってしまうのです」
脳血管障害までいかなくても、脳内の血流が悪化すれば物忘れが起きやすくなる。それを防ぐためにはじっとしていないで手足を動かすこと。そして「脳の中枢を喜びで刺激すること」だと眞田院長。
「ストレスのかかる場面でも、人から褒められれば喜びが生まれます。誰も褒めてくれなければ、自分で自分を褒めましょう」
一日の終わりには、「よく頑張った」と自分を褒めてあげよう。イヤなことがあれば、人に愚痴って発散だ。
これで「物忘れ」は怖くない