全国の医師が処方した薬 ベスト10

【糖尿病治療薬】上位100位で年間使用料は60億5000万錠

2015年度の糖尿病治療薬トップ10(C)日刊ゲンダイ

 多くの患者さんは、これら3つの病態が組み合わさっており、しかもその割合によって症状が変わってきます。そのため、食事療法、運動療法と合わせて、必要に応じて複数のクスリの組み合わせが処方されるのです。
<表>は使用量の多かったクスリのトップ10をまとめたものです。1位はメトグルコ錠。インスリン抵抗性改善薬の一種です。8位も成分量のみを変えた同じクスリです。通常は1日2錠の処方。単純計算すると、2型糖尿病患者の6割近くがメトグルコを飲んでいることになります。

 2位のエクア錠と3位のジャヌビア錠はインスリン分泌促進薬。ただし、有効成分が異なっており、作用の仕組みも違っています。患者の体質に合わせて使い分けがされています。5~7位と9・10位も、インスリン分泌促進薬の仲間です。メトグルコと、インスリン分泌促進剤の組み合わせは、2型糖尿病の標準的な処方になっています。

 4位のセイブル錠は、ブドウ糖の吸収を抑えるクスリです。食物中の炭水化物は、腸内でブドウ糖に分解され、吸収されます。セイブルには炭水化物分解酵素を抑える働きがあるため、ブドウ糖の生成量が減り、結果的にブドウ糖の吸収が抑えられるという仕組みです。

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