皮膚を科学する

M・アントワネットの「一夜にして白髪に」は実際あるの?

増えた?(C)日刊ゲンダイ

 生きているのは頭の皮膚に潜っている部分。頭皮から外に出ている毛は、皮膚の表皮にできるアカのようなもの。そのため覚醒剤やヒ素などの摂取を調べるのに、体で最も長く残る髪の毛(排泄物)が使われるという。

■成長期が長いほどなりやすい

 では、なぜ人は年を取ると白髪が増えるのか。

「毛は毛根の先端にある毛乳頭の毛母細胞で作られますが、元は白い色なのです。それが毛の成長過程(外に押し出される過程)で色がつくのは、毛母細胞のところに共存する色素細胞(メラノサイト)の働きでメラニン色素が産生され、色素が送り込まれるからです。年を取ると色素細胞が減ったり、メラニン色素を作る機能が低下したりして白髪が増えるのです」

 加齢だけでなく、ストレスや精神的ショック、メラニンを合成する栄養不足、薬剤(シミ取りの薬など)、遺伝的素因なども白髪の原因(機能低下)になるという。若白髪や苦労をすると白髪が増えるのもそのためだ。

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