役に立つオモシロ医学論文

300人を調査 交通渋滞はドライバーの血圧を上昇させる

ドライバーを悩ませる交通渋滞(C)日刊ゲンダイ

 解析の結果、交通渋滞に巻き込まれたドライバーの収縮期血圧(上の血圧)と拡張期血圧(下の血圧)は、それぞれ142㎜Hg、87㎜Hgでした。また交通渋滞に巻き込まれなかったドライバーでは、それぞれ123㎜Hg、78㎜Hgとなっており、交通渋滞に巻き込まれると、そうでない場合に比べて、統計学的にも有意に血圧が高くなることが示されています。

 車通勤などで日常的に交通渋滞に巻き込まれる可能性の高い人では、こうした血圧上昇が持続的な高血圧状態を引き起こす可能性もあり、注意が必要かもしれません。渋滞に巻き込まれた際は音楽をかけるなど、リラックスして運転できると良いかもしれません。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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