治療にはメリットがありますが、手術には尿失禁や尿漏れ、放射線には直腸炎、ホルモン療法には筋力低下などがデメリット。たとえば、70代後半で悪性度の高い前立腺がんが見つかっても、平均寿命は81歳ですから期待余命はわずか。そういう状況だと、治療のメリットよりデメリットが上回るかもしれません。そう判断できれば、待機療法が選択されます。
今回の男性は46歳。もし前立腺がんとすれば、若いケースです。若年性前立腺がんは、遺伝的にあるがんを受け継ぎやすい家族性腫瘍の可能性が。ほかのがんでもそうですが、家族性腫瘍は悪性度が高く、欧米では予防的前立腺全摘が行われることもあります。
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁