3割が残薬あり 糖尿病治療薬「飲み忘れ」が寿命を縮める

自分のライフスタイルに薬が合わなければ替えることも可能(C)日刊ゲンダイ

 治療強化のタイミングの遅れは、血糖コントロールの改善に影響を与える。「1年以内に治療強化をした群」「1~5年に治療強化の群」「治療強化なし」を比較した研究では、1年以内の治療強化群は早くに血糖コントロールが目標値に達し、長期的に維持。1~5年の群も、1年以内よりは遅れるものの、血糖コントロールの改善を維持できた。

「ところが、治療強化なしの群では、調査スタート時では治療強化群よりも平均ヘモグロビンA1cが低いにもかかわらず、長期的に見ると徐々に上昇していきました」

 血糖コントロールの改善の指標になるのは、ヘモグロビンA1cだ。これが1%低下することのメリットは非常に大きい。

「糖尿病関連死は21%低下、下肢切断または末梢血管疾患の死亡は43%低下するといわれています。糖尿病関連死とは、心筋梗塞や脳卒中、腎疾患、高血糖、低血糖といった糖尿病に関連した疾患による死亡のことです」

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