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薄毛にも効果? 専門医が「ぬるめ時短風呂」のススメ

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ほどほどが一番(C)日刊ゲンダイ

 一気に冬の寒さが到来したが、誤った入浴法はヒートショックに限らずさまざまなリスクをはらんでいる。

 リンナイが先月実施した「入浴習慣」に関する意識調査(20~70代の男女960人)によると、安全かつ健康的とされる「10分以下、40度以下」で入浴している人は20.4%、5人に1人だ。最多は「10分以下、41度以上」の31.7%だが、これは瞬間的な血圧上昇が心配されるという。

「11分以上、41度以上」(29.7%)は最も危険な方法で、血圧上昇や熱中症の危険があり、体への負担が大きい。

 ぬるめの長風呂「11分以上、40度以下」(18.1%)は血圧の急上昇リスクはないが、のぼせの危険があるという。温泉療法専門医で、東京都市大人間科学部の早坂信哉教授が言う。

「入浴時間10分以下で、湯温40度以下を、安全な“健康手抜き風呂”として勧めています。ヒートショックや熱中症の危険が少ない入浴法です」

 この入浴法を実践している人には“共通点”がある。前出の調査では、他の入浴法と比べて「肩こり」「頭痛」「便秘」「汗かき」などの健康トラブルに悩む人の割合が少ないというのだ。

「肩こりや頭痛は、筋肉の緊張によって起こります。40度以下のぬるま湯は、リラックス効果があり、緊張を和らげます。逆に、湯温が高いと交感神経が興奮し、体が緊張するのです。ぬるま湯が便秘に良いのは、副交感神経の働きで胃腸の動きが促進されるからです。汗かきになるのは、普段から汗をかく生活をしていることで、習慣づいてしまうから。高温のお風呂に入り続けていると、汗をかきやすい体になるのです」(早坂信哉教授)

 中年男を悩ませる「薄毛」にも“効く”というから、驚きだ。

「薄毛の原因として、頭皮の血流が悪くなることが挙げられます。高温の湯につかっていると、血管が収縮して血流が悪くなる。血液は頭皮から毛根を通じて毛髪に栄養を届けるわけですが、それができなくなるのではないかと考えます。同様の理屈で言えば、熱すぎるサウナに長居するのもお勧めできません」(早坂信哉教授)

 お風呂もほどほどが一番か。

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