高脂血症(脂質異常症)の患者は206万2000人(厚生労働省、2014年)。女性が多く、男女比は1対2・5となっています。
LDL(悪玉)コレステロール値が高い、HDL(善玉)コレステロール値が低い、TG(トリグリセリド:中性脂肪)値が高い、のいずれかに該当すると、脂質異常症と診断されます。動脈硬化が進みやすくなり、脳卒中や心臓病のリスクが上がります。またTG値が高いと、膵炎のリスクも上がるといわれています。
2015年度に外来で処方された高脂血症治療薬、上位100品目の総数は49億7019万錠。単純に患者数で割ると、1人当たり約2400錠(1日6~7錠)にもなります。
しかし高脂血症のクスリは、1日1錠が一般的。実は糖尿病、高血圧など、他の生活習慣病の患者の中に、高脂血症を合併している人が大勢いるのです。そのため処方数も多くなるわけです。
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永田宏
長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授
筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。