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あらゆる病気を予防 「抗炎症ダイエット」がNYで大人気

 ニキビから関節炎、うつ病まで、考えられるあらゆる人間の病気の共通点は、繰り返し発生する「慢性炎症」です。特に心臓疾患、がん、腎臓病、呼吸器疾患、脳卒中、アルツハイマーなど命に関わる病気も、長年繰り返されてきた炎症がきっかけになることが分かってきています。

 こうした炎症をコントロールする食生活が「抗炎症ダイエット」。近年の研究では炎症を減らして病気を予防するだけでなく、アンチエイジングにもなるといううれしい研究結果もあります。

 ではいったい何を食べればいいのでしょうか? まず、食物繊維が豊富な生野菜や果物をたっぷり取りましょう。ハーブやスパイス、特にウコンとショウガは抗炎症の効果があることが注目され、ウコン入りドリンクは今、ニューヨークの若者の間で人気上昇中です。

 タマネギ、ネギ、ニンニクなどのネギ科の野菜、ブロッコリー、カリフラワー、キャベツなどアブラナ科の野菜は抗酸化作用があり、抗炎症効果が期待できます。

 飽和脂肪は摂取カロリー全体の10%に抑えます。牛肉などの赤身肉は週1回以内にし、マリネにすれば料理をする時に毒性のある化合物が出にくくなります。オメガ3脂肪酸を多く含むクルミ、フラックスミール、大豆などの豆類を積極的に取り、サケ、サバ、イワシ、カキなどの魚介類は週3回は食べたいところ。油もオーガニックのオリーブ油、キャノーラ油など、できるだけ良質なものを使いましょう。

 逆に避けたいものは加工食品。特に高塩分、ブドウ糖果糖液糖を含むものに注意が必要です。トランス脂肪酸などの悪玉脂肪もノー。甘味は砂糖や人工甘味料ではなく、ファイトニュートリエント(希少植物性活性化栄養素)を多く含む果物やニンジンなどにします。「できるだけナチュラルなものを食べたい」という今の若者の食トレンドにもマッチした抗炎症ダイエットのブームは、当分衰えそうもありません。

シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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