全国の医師が処方した薬 ベスト10

【高脂血症治療】市場規模3500億円は糖尿病治療薬とほぼ同じ

4位にはEPA・DHA製剤が(C)日刊ゲンダイ

 8位のメバロチン(発売時、三共製薬)は、海外では早くから発売されており、日本でも5ミリグラム錠が1989年に発売されました。第1世代の代表で、最盛期には輸出分も含めて年間2000億円以上を売っていました。すでに特許は切れていますが、発売から26年も経った2015年においても、ジェネリックの追撃を抑え、10ミリグラム錠と5ミリグラム錠を合わせて国内で134億円もの売り上げを立てています。

 2位のゼチーア錠は、食物からのコレステロールの吸収を抑えるクスリ。スタチンとゼチーア錠を組み合わせることで、より効果的に高脂血症を改善することができます。

 4位にランクインしたロトリガ粒状カプセルは、2013年に登場した「EPA・DHA製剤」と呼ばれる新機軸の治療薬。EPA・DHAはイワシなどの青魚やエゴマ油、アマニ油などに含まれる不飽和脂肪酸。血液中の中性脂肪を下げるほか、動脈硬化を防ぎ、血管の柔軟性を保つなどの働きがあることが知られています。実際、EPAやDHAを含んだ健康食品が多数販売されています。しかしそれを、健康保険が利く医薬品として作り上げたところが画期的。売り上げは発売からわずか3年間で220億円に達しており、今後さらに伸びる余地がありそうです。

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永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

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