成功のヒミツ失敗しないコツ

子供の歯磨きを禁止 埼玉の歯科医師による“実験”の結論は

次女(左写真手前)は生後11カ月から実験に参加(右)黒沢院長(提供写真)

「困ったことといえば、公的な健診。次男の3歳児健診では『こんなに汚れているのに虫歯が1本もないのは不思議』と言われ、付き添いの妻は『ブラッシングの指導を受けてください』としつこく言われたそうです」

■戦前の“純和食”でダラダラ食いを回避

 黒沢氏が実験から得た結論は、子供の虫歯予防で重要なのは「何をどう食べるか」であり「歯磨きの徹底」ではなかった。

 黒沢家の子供たちは決まった食事とおやつの時間しか食べ物を口にせず、飲み物も水やお茶を喉が渇いた時だけにするよう心掛けた。

「食べ物を口にすると酸が作られ歯の表面のミネラルが溶ける『脱灰』が起こります。それを唾液が中性に戻し、ミネラルが歯に入り込んで虫歯を防ぐ。これを『再石灰化』と呼び、『脱灰→再石灰化』が歯の健康を守るメカニズムになります。このメカニズムを、我が家の子供たちは自然に会得していたのです」

2 / 3 ページ

関連記事