VIPと病院の怪しい舞台裏

貴ノ岩は2通提出 診断書は患者の意向を沿って書けるのか

貴ノ岩は意外にも“策士”なのか(C)日刊ゲンダイ

 貴ノ岩が単に「頭が痛い」というだけだと、“骨折疑いの診断書”にはならなかっただろう。“作戦勝ち”か。

■雲隠れ費用は1泊10万円

 今年2月には、京都府立医大の医師らが、暴力団関係者の病状について「刑事施設での拘禁に耐えられない」とする虚偽の診断書を作成。虚偽有印公文書作成・同行使容疑などで京都府警に強制捜査された。貴ノ岩のケースは、受診理由を検査して「疑い」としていることから、虚偽には至らないと考えられるそうだ。

 VIPを受け入れる部屋は、やはり特別だ。乳がんで亡くなった小林麻央が治療を受けたとされる病院の関係者が言う。

「一般の病棟は、診療科ごとに分かれていますが、それとは別にVIP病棟があります。一般病棟の個室の2倍の広さで、ベッドとトイレのほかにソファとテーブルがある。面会でVIP病棟に入れるのは患者が指定した人だけ。フロアと個室の入り口は、それぞれ暗証番号やカードキーでロックされます。VIPの個室は一般の2倍以上の1泊10万円です」

 最近は抗がん剤治療も通院で受けられる。点滴など簡単な治療は、VIP病棟で済ますという。セキュリティー万全で、3食つき、治療も受けられるなら、雲隠れ費用としては割安か。

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