VIPと病院の怪しい舞台裏

田中角栄は東京逓信 著名人たちはどんな病院を好んだのか

田中角栄元首と大平正芳元首相(C)日刊ゲンダイ

 ずいぶん前になるが、著名人がかかることで有名な個人病院が都心にあった。個室や特別個室があり、患者のプライバシーも守られる。芸能人やスポーツ選手だけでなく、政治家、財界人まで、こぞってこの病院を訪れた。

 ところが、重病の患者が亡くなったり転院したりするケースも目立つようになり、「あの病院に行くと死ぬ」とウワサされ始め、いつしか有名人が列をなすこともなくなった。

 キーボードをたたくだけで気になる病院の情報を収集できるようになる前の話である。

「昔は政治家にとって病気はタブーで、入院したという話が漏れるだけで致命的なダメージを受けました。雲隠れしたり内緒で治療したりできるかかりつけは重要で、何かと融通が利く個人病院が重宝されたのです。国会議員をやっていれば、知り合いの医者なんてすぐにできますからね。ただし最近は、だれでも情報を取れるようになり、がんでも治るケースが増え、病気を公表するようになった。隠すより治すことが優先され、施設の整った大病院で治療するケースが増えていますね」(政治評論家・有馬晴海氏)

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