しかも、芳香柔軟剤や消臭剤などはニオイと直接結びつくだけに脳への刺激が強く、記憶障害などを受けやすい可能性がある。
「もともと、記憶はニオイと強いつながりがある。たとえば、ワインを飲みながらサッカーの試合を見たとします。頭の中では『スタジアムの歓声』『ユニホームの色』などとともに、その場の『ニオイ』が記憶として脳に刷り込まれます。そうした個々の記憶を互いに関連づけることで、ひとつの出来事を覚えるのです」
逆に言えば、CSの人は記憶したときと同じニオイをかぐと記憶が蘇り、過敏症の症状が出やすい。
「合成洗剤は石鹸に、衣類や寝具はできるだけ天然のものに替えて、体内に取り込まれる化学物質の量を減らします。米、野菜、お茶はできれば無農薬のものを選び、ビタミンやミネラルを多めに取るなどして、食事で化学物質を排出しやすい体質に変えましょう。同時に、化学物質を感じても別の楽しいことを考えるなどして、CSの記憶に結びつかないようにすることも重要です」