全国の医師が処方した薬 ベスト10

【解熱鎮痛消炎剤】年間47億錠 1人40錠近くを消費

処方薬トップはロキソニン(C)日刊ゲンダイ

■トップはロキソニン

 バファリンは大変古いクスリで、病院で処方される量は年間800万錠ほどに過ぎません。しかし市販薬としては根強い人気を保っています。またバファリンと並んで有名なイブプロフェンは、市販の風邪薬の中に解熱鎮痛成分として含まれています。「風邪薬は眠くなる」といわれますが、イブプロフェン自体は眠気と無関係。喉や鼻の炎症を抑えるために配合されている抗ヒスタミン剤が眠気を引き起こすのです。

 処方薬としてはロキソニン錠60㎎が6億8400万錠でトップ、セレコックス錠100㎎が6億1700万錠で2位につけています。ロキソニンは市販薬にもなっており、処方薬とまったく同じものを、薬剤師が常勤しているドラッグストアで購入できます。

 3位のノイロトロピン錠は、痛みの神経の感受性を抑えることで鎮痛効果を発揮します。他の鎮痛薬が効きにくい痛みにも有効で、とくに整形外科で重宝されています。他の鎮痛剤が効かない腰痛や五十肩などに、よく効くといわれています。

 カロナール錠(4位・9位)は、アセトアミノフェンという物質を主成分とするクスリ。強い解熱鎮痛作用があり、痛風発作、尿路結石、腎結石などの痛みをやわらげるのに使われています。

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永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

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