■4つの要素がいかに手早くできるか
私は若手に対し、そうした「限られた時間」を有効に使うことを意識しながら真剣に取り組んでそれを達成できれば、どんな“おまけ”が付いてくるのかということを見せるようにしています。勤務先以外の外科からのオファーが増えたり、講演や取材の打診が数多くあったりなどすれば、それだけ収入につながります。また、異業種の人と接する機会が増えることも人生の財産になっていきます。いまはそれを見せるだけでなく、実際に体験させる段階まできている若手もいます。
速く正確に仕上がり良く手術を終わらせるためには、もちろん日頃から努力が必要です。
外科医の手技というのは、ハサミやメスで「切る」こと、切れば出血するので「止血」すること、切ったところは縫わなければならないので「縫合」するという3要素で成り立っています。「切る」の延長には「剥離」があり、4要素といってもいいでしょう。この4要素をいかに手早くできるかが外科医の技量といえるでしょう。
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