気鋭の医師 注目の医療

スマホを用いたICT医療の導入で医療費8%と入院日数15%の削減に成功

髙尾洋之准教授(右)とスマホ医療イメージ写真(C)日刊ゲンダイ

 たとえば脳梗塞治療では、発症から4時間半以内に脳血栓溶解剤の「t―PA」を投与したり、8時間以内に血栓除去の血管内治療を実施したりすれば、後遺症が軽減できる可能性が高い。その迅速な対応が患者の生死や予後を左右する。たとえその場に専門医がいなくても、当直医とベテラン医師がJoinでつながっていればリアルタイムで画像やメッセージのやりとりができるので、緊急時のチーム医療が実現できるのだ。

「遠隔医療によって医師は自宅に帰れるし、ムダな緊急時の待機時間が抑えられるのでICTの活用は医療現場の働き方改革になるのです。それに適切な処置のスピードが向上するので、患者さんのメリットも非常に大きい」

■過去の患者情報を医療機関で共有する試みも

 同大ではJoin導入前後を比較して、ICTを用いた脳卒中治療の効果実績を調べている。それによると「診断時間40分削減」「直接的医療費8%削減」「入院日数15%削減」という結果が出されている。

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