数字が語る医療の真実

敗血症にはビタミンCとB1が有効との最新研究が

ビタミンCといえばみかん(C)日刊ゲンダイ

 そこで今年発表された論文に、敗血症という40%が死亡するという重症疾患に対して、ビタミンCとビタミンB1を投与する前後で、40・4%の死亡率が8・5%にまで減少したというものがあります。かっけと同じビタミンB1が、介入前後研究という同じ検討方法で登場したのはおそらく偶然でしょうが、この研究もまた限界のあるその手法のため、かっけと同様な論争が予想されます。

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名郷直樹

名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

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