貴ノ岩は50回も殴られたというが…頭部を強打で起こる“危ない異変”

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 脳の損傷がなければ、早い段階で血腫を除去し、止血をすれば後遺症は残らない。とにかく早期治療が肝心だ。

 また、急性ではなく「慢性硬膜下血腫」にも要注意。頭を強く打った後、とくに異常のない状態が続き、2~3カ月たってから症状が表れる。

「頭を強打した時に脳と硬膜の間の細い静脈が切れてジワジワと出血し、徐々に硬膜下腔に血がたまって血腫ができていきます。そのため、時間がたってから、物忘れや気力の低下が表れたり、頭痛や吐き気などの症状が出てくるのです。高齢者に多く見られ、きっかけになった頭部外傷を忘れてしまっているケースも多い。ただ、血腫が増大すれば脳はどんどん圧迫されます。頭を打った時点では何ともないからと油断していると、命に関わる危険もあります」

 ほとんどの場合、局部麻酔でカテーテル手術を行って血種を除去すればすぐに治るという。頭を打ったときはしばらく注意を続け、何かおかしいなと感じたらすぐに脳神経外科を受診したい。

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