多くが悩む「ふるえ」って何? 症状や治療法を専門医解説

手がふるえて食事が難しくなる場合も(C)日刊ゲンダイ

「甲状腺機能亢進症には特効薬があり、薬物治療で症状がほぼ100%改善します。ただ、見落とされてしまうと、激烈な脳症や意識障害などのリスクがあります」

 前述の通り、本態性振戦は姿勢・運動時のふるえで、パーキンソン病は安静時のふるえだが、時に見分けがつきにくい。「ダットスキャン」や「MIBG心筋シンチグラフィー」という画像検査、脳血流の検査や小脳・基底核、前頭葉のGABA機能を見る検査が見分けに役立つ。本態性振戦は遺伝子の異常との関係も近年指摘されており、家系の病歴が診断の手がかりになることもある。

「本態性振戦では、ある種の高血圧治療薬やてんかん治療薬が効果的です。日常生活に支障をきたすほどふるえがひどい患者さんでは、脳にペースメーカーのようなものを埋め込み、ふるえを止めるDBS(脳深部刺激法)の治療が検討されることもあります」

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