タンパク質の分解を促進 注目の「ブロメライン」って何?

肉を食べたときは…
肉を食べたときは…(C)日刊ゲンダイ

 いよいよ忘年会、クリスマス、お正月と、連夜の飲みでクタクタになるシーズンがやってきた。この時季は、肉や魚の鍋ものなどでタンパク質を摂取する機会も増える。外食だけでなく、ホームパーティーでのちょっとしたツマミにも、肉を使ったメニューが用意されていたりするもの。最近はやりの糖質制限ダイエットも肉食を推奨している。白米よりも肉や魚という傾向が強くなっているが、バランスの悪い食生活は決してほめられたものではないようだ。

 なにしろタンパク質は、多く取りすぎると大腸がんや動脈硬化の危険性が高まるとされている。健康に直結するレシピを企画提案する管理栄養士で料理研究家の関口絢子氏がこう言う。

「タンパク質を取りすぎると、体内で消化しきれずに腸内で腐敗します。これが窒素残留物と呼ばれるもので、そこから発生したアンモニア物質は悪玉菌のエサになるのです。悪玉菌は腸壁を越えて血液をめぐり、肝臓などを酷使させます。それによってがんのリスクが高まると考えられているのです」

 そこで注目されているのが「ブロメライン」だ。パイナップルに多く含まれている酵素のひとつである。

「ブロメラインはタンパク質の分解を促し、消化を助けてくれます。生のパイナップルを食べると舌がヒリヒリすることがありますよね。あれもブロメラインの作用。食事のときに一緒に取ると、胃腸の負担を軽減させて消化吸収を助けるので、アンモニア物質の発生も抑制されます。ただし熱に弱いため、表面をあぶる程度か生食で取ってください」(関口氏)

 BBQやシュラスコ店でパイナップルが出てくるのも、肉の消化吸収を助けるためで、理にかなっている。居酒屋ではメニューにないことも多いが、ホームパーティーのときなら準備できる。

「ほかにパパイアとキウイフルーツなど、南国のフルーツにも多く含まれています。調理の際も活用するといいですよ。肉や魚を焼く前に生パイナップルの皮の内側に乗せておくと、仕上がりが軟らかくなります」(関口氏)

 糖分の取り過ぎにならないように注意しながら、年末年始を乗り切ろう。

関連記事