独白 愉快な“病人”たち

40代で難病に さかもと未明さんを救った名ホテルでの半年

「小さい頃から運動会や遠足が苦痛だった」とさかもと未明さん(C)日刊ゲンダイ

 半年間の椿山荘生活と医師である今の夫のおかげで体調が少し回復し、13年6月に結婚式を挙げました。

 自分が発達障害だと知ったのは、その少し前。11年に知人からすすめられた発達障害の本を読み、著者である星野先生の診察を受けました。翌年には双極性障害も併発との診断を受け、それによって両親との確執、離れていった人や仕事、今までの「なぜ?」が解けた気がしました。発達障害はコミュニケーション障害、自閉症の一種なんです。人の気持ちを酌み、素直な気持ちを伝えるスキルがない。だからそれを改善しようと努力するようになりました。また、発達障害の薬である「コンサータ」を飲んだことで、体の調子も良くなった気がします。

 表現活動がいつまでできるかは今もわかりません。でも毎日を後悔なく生きたい。一日一日、大事にしたいと思います。

▽さかもと・みめい 1989年に漫画家デビュー。その傍ら執筆も開始。論客ぶりが脚光を浴び、雑誌やテレビでも活躍。膠原病を発症後「動けなくなってもできる表現を」とジャズシンガーデビュー。2017年には銀座の吉井画廊で画家として個展開催も果たす。著書に「まさか発達障害だったなんて」(PHP新書)、「奥さまは発達障害」(講談社)などがある。現在は、震災復興と拉致問題解決に関する企画に参加し、尽力している。

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