■患者は賢く医師を使いこなそう
中には、国民皆保険制度からは外れた自費診療だけを行っていた医師もいますし、今も一部の患者さんからそうしたニーズはあります。ただ、そういった医師は「自己責任で医療を行っている特殊な医師」と考えるのが現状で、いまは99%の医師は何らかの形で保険診療を行っているといわれています。ですから、ある意味で2017年は「国民皆保険制度元年」と言ってもいいでしょう。
また、収入面だけでなく、医師自身が病気になったり、その家族が医療行為を受ける際なども、すべて国民皆保険制度に守られてきたといえます。一般の方は、保険料を納めることで少ない自己負担で医療を受けられるだけですが、医師はさらに収入の原資をそこに求めているので、保険制度に支えられる恩恵は想像以上のものになります。
さらに、今の現役世代の医師は、医学部に入学して医師になる過程でも公費が使われています。だからこそ、医師になった以上は、自分の生活や健康を守ってもらっている社会にしっかり恩返ししなければなりません。「自分はお金持ちの家に育ったから医者になれた」とか「頭がよかったから……」なんて考えは、まったくの驕りでしかないのです。
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