これで「物忘れ」は怖くない

運動で“脳力”アップ ただ歩くだけでも効果はある

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 年齢とともに増える物忘れ。その要因のひとつは、誤った生活習慣の蓄積だ。物忘れや認知症を遠ざける生活習慣とは? 米山公啓先生(米山医院院長)に聞いた。

「定期的な運動が認知症予防になることは、さまざまな研究で明らかになっています。特別な運動をせず、ただ歩くだけでも効果があります」

 たとえば、65歳以上の9000人を対象にした調査。「週3回以上、歩くよりハードな運動をする」「週3回以上、歩く程度の運動をする」「運動をしない」の3群では、運動強度が高いほど認知症発症率が低かった。5年間継続した結果であることから、続けることの重要さがわかる。

「ウオーキングをするなら、毎日決まったコースを歩くより、なるべく遠いところに足を延ばすのがお勧めです。歩く距離が延びるし、知らない景色を見れば脳に良い刺激を与えられます」(米山医師)

 旅先で見知らぬ町を歩き回るのもいい。ウオーキングに限らず、好きなスポーツをするのももちろん有効だ。

 くどうちあき脳神経外科クリニックの工藤千秋院長は、さらに効果的な運動のやり方を教えてくれた。

「1日30~40分、デュアルファンクション(2系統の働き)を行うことが、脳にとって非常に有効だといわれています。単に体を動かすだけでなく、もうひとつ別の動きを加えるのです」

 たとえば、散歩をしながら歌を口ずさむ。脳内の歌詞を記憶する部分、音程をとる部分、喉を動かす部分が同時に動きだすため、単に手足を動かすだけより脳が活発に働き、活性化する。

 口に出すのが恥ずかしければ、頭の中で歌うのもいい。ただし、転ばないよう足元にご注意を。

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