気鋭の医師 注目の医療

カテーテルを痛む場所まで移動し微細血管もろとも神経を消失させる

オクノクリニックの奥野祐次院長(提供写真)

 寝ていたり、じっとしていても痛い関節痛、階段の上り下りや立ち上がったときの膝や腰の痛み、エプロンを結ぶときの肩の痛みなどは、モヤモヤ血管が原因になっていることが多いという。

「運動器カテーテル治療では、手首や太ももの付け根から挿入したカテーテルを痛みの部位まで移動させ、『チエナム』という抗生物質を直接投与します。この薬は溶けにくく粒子状になるので、微細血管を一時的に詰まらせて伴走する神経もろとも消失させるのです。薬は最終的には溶けて流れてしまいます」

■1度の治療で7割以上が満足いく改善

 治療は造影剤を使ったレントゲン画像を見ながら行われ、所要時間は患部が1カ所であれば早くて30分、平均で1時間前後。麻酔はカテーテルを挿入する部分の局所麻酔だけなので、治療後は止血のため1時間ほど休んで、ばんそうこうを貼って日帰りができる。

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