注射の痛みを和らげるパッチ登場 “チクリ”我慢には弊害が

大人になっても恐怖が消えない(C)日刊ゲンダイ

 さらに、小児の時の繰り返す痛み体験は、思春期、成人期、老年期の慢性痛に進展しやすいことも分かってきた。例えば、小学生の時の腹痛体験がある子供は、その後の頭痛の有病率が5倍という報告もある。

「強い痛みや恐怖は中枢神経へ伝達されます。すると脳脊髄が痛み信号を感じやすくなる。痛みの刺激がなくなっても興奮が続き、中枢性感作という、神経の機能変化が生じ、痛みを感じやすくなります」

 つまり、痛みや恐怖は「その場限りの問題・やり過ごせる問題」ではない。その体験がもとになって、痛みを感じる閾値(反応する値)が低くなり、ほかの人はやり過ごせるような痛みでも「痛い、怖い」と感じるようになるのだ。

 外用局所麻酔剤は、パッチ、クリームどちらも、効果が出るのは使用して1時間後。混みあっている外来では「今からパッチを使うので1時間待ってください」なんていうのは現実的ではない。注射やワクチン接種など予定している処置がある場合は、事前に病院に問い合わせて外用局所麻酔剤を手に入れ、1時間前から貼っておく(塗っておく)のも一つの方法だ。

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