骨を丈夫にするだけじゃない ビタミンDの驚くべき実力

ビタミンDを豊富に含むお料理はたくさん!(C)日刊ゲンダイ

「ビタミンDは体内で2度代謝して活性型ビタミンDとなり、細胞核の受容体に作用して遺伝子を動かすスイッチ役となるのです」(浦島教授)

 ビタミンD受容体は小腸、骨、腎臓、副甲状腺、皮膚、脳、筋肉、肝臓、免疫細胞などほぼすべての組織で見つかっており、多くの遺伝子発現に関係すると考えられている。

 その中にはがんを抑制したり、異質な細胞をアポトーシス(自死)させたり、細胞周期に影響を与えたり、免疫細胞に作用して天然の抗生物質となる物質を合成する遺伝子なども含まれる。小腸でカルシウムの吸収を高めるなどして骨を丈夫にさせる働きは、そのひとつにすぎないのだ。

「病気になるのは、それを防ぐ遺伝子のスイッチ役の不足とも考えられるのです。ただ、健康な人はサプリは必要ありません。研究で使うのは、ビタミンD以外の要素で結果が左右されないためです。通常は30分程度外出し、魚を多めの食生活にすれば十分です」(浦島教授)

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