9月に承認 乳がん新薬「イブランス」のポイントを知る

副作用が少なく働きながらの治療も可能(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

 無増悪生存期間とは「がんが進行せず安定した状態」のこと。ホルモン単剤群14.5カ月に対し、分子標的群は24.8カ月。

 奏効率も分子標的群は42・1%、ホルモン単剤群は34・7%と、前者の方が上だった。

「ただし、併用しても効果のないケースは全体の15%程度ありました。副作用は好中球減少、倦怠感に注意が必要ですが、ホルモン療法だけの場合と比べて大きく変わりませんでした」

【セカンドライン、サードラインからの併用では無増悪生存期間が約1年継続】

 PALOMA―2の次に行われた試験(PALOMA―3)では、ファーストラインはホルモン療法のみで、セカンドライン以降の患者さんに対してから分子標的薬を併用した。

「無増悪生存期間は分子標的薬群で11.2カ月、ホルモン単剤群4・6カ月です。再発してからの治療ラインが遅い分、PALOMA―2試験と比べると奏効率は低いですが、分子標的薬群は21%、ホルモン単剤群は8.6%と、分子標的薬を用いた方がいい成績です」

2 / 3 ページ

関連記事