9月に承認 乳がん新薬「イブランス」のポイントを知る

副作用が少なく働きながらの治療も可能(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

 この試験では、前治療のホルモン療法では効果が見られず再発した人、ホルモン療法終了後12カ月未満で再発した人は、無増悪生存期間は7カ月程度になることもわかった。再発後に抗がん剤を一度使用している人でも、9カ月間の無増悪生存期間が認められた。

 副作用は好中球減少、倦怠感など。12年登場の分子標的薬と比べて副作用が少なく、患者の生活の質(QOL)を保てる点も注目すべきところだ。仕事を継続しながら治療を受けている患者も少なくない。

 ホルモン療法との併用で、分子標的薬を1日1回3週間連続して食後に服用し、1週間休薬。これを1サイクルとして、服用を繰り返す。

■新しいメカニズム

 がん細胞の分裂を促すスイッチがオンの状態になると、がん細胞が増殖し続ける。新薬では、このスイッチをオンにする働きのタンパク質CDK4/6の働きを阻害するメカニズムだ。このCDK4/6阻害剤は世界初。

■ホルモン受容体陽性の治療

「ホルモン受容体陽性・HER2陰性」の場合、女性ホルモンが乳がんの増殖を促しているので、ホルモン療法によって女性ホルモンを働かないようにする。

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