天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」

日本で研修を受けている外国人医師は母国の「これからの医療」を支える人材になる

天野篤氏(C)日刊ゲンダイ

 順天堂医院では、外国人医師の研修を数多く受け入れています。近年、日本で進んでいる医療の国際化がさらに加速するためのきっかけになればいいという意図もありますが、日本で臨床を学んだ外国人医師たちが母国に帰ってから、その地域の医療を支えて発展の中心になって欲しいという思いがあります。

 大学全体で150人ほどの外国人医師や医学生が在籍しています。出身国はさまざまですが、アジア地域から来ている人たちが多く、中でも多いのは中国です。アジア各国は、一部の都市部を除くとまだまだ医療が遅れている地域が多いといえます。そのため、いまの日本で標準的に行われている医療を学べば、彼らの母国にとっての“これから先の医療”として十分に通用します。

 疾患についても同様です。日本が経済的に裕福になったことで広がってきた高齢化や生活習慣病が大きな原因になっている疾患は、彼らの母国ではまだそこまで増えていません。日本と比較すると、そうした社会的な環境は30~40年くらい遅れている印象です。しかし、近い将来、より経済発展を遂げて生活環境が向上して高齢化が進んでいけば、いずれ日本と同じようなパターンになる可能性もあります。

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天野篤

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。

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