中高年にとっての虫歯

子供との違い 中高年の虫歯は気づきにくいのに進行が早い

4割以上がコレで歯を失う(C)日刊ゲンダイ

 歯を失うことは想像以上に体にダメージを与える。食べ物をどれだけ効率的に噛み砕けるかを測る指標として咀嚼効率があるが、最も高い咀嚼効率を持つ奥歯(第1大臼歯)を1本失うと咀嚼効率は40%以上低下する。

「胃や腸などの消化器官に負担をかけるだけではありません。噛み合わせが悪くなり、肩こりが起きたり、口腔内の機能が低下することで誤嚥性肺炎のリスクが高まります。脳への刺激が減って認知症などにも影響します。歯列が乱れるので歯磨きがしづらくなり、さらなる虫歯を招く可能性も高くなる。中高年の虫歯は歯の喪失に直結する恐ろしい病気なのです」

 しかも中高年の虫歯は子供の虫歯と違って、「気づきにくく、進行が速い」という特徴がある。

「子供の虫歯は口のなかの細菌が糖質をエサにして酸を作り、歯のエナメル質を溶かすことから発生します。そのため、砂糖を含むお菓子などを食べるなどして咬合面にもできやすくなります」

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