年間患者数が500人突破 人食いバクテリアはこうして防ぐ

人食いバクテリア(国立感染症研究所から)

■検査は保険適用

 急増の原因ははっきり分かっていないが、溶連菌がウイルスに感染して遺伝子が変化したことで感染性が強まったという説などがある。このほか米国で洪水のあと発症したケースがあるため、手足などの傷口から溶連菌が体内に入ったのが原因という見立ても。

 予防法は……?

「早期発見しかありません。手足に疼痛が走るとか赤く腫れ上がる、高熱が出た、悪寒や下痢になるのが黄信号。ただし、この病気の症例を診た経験のある医師が少ないので、診察のとき『いま話題の人食いバクテリアじゃないですか』と聞いて、念のため検査してもらうほうがいいでしょう。検査は保険で受けられます。糖尿病で免疫力が落ちている人や、インフルエンザや性病にかかりやすい抵抗力の弱い人、高齢者は特に注意が必要です。早期発見されればペニシリンの投薬で治ります」(米山公啓氏)

 春夏秋冬を問わず、いつ誰でも感染する可能性があるというから恐ろしい。風邪やインフルを予防して頑健な体を維持するのが唯一の予防法といえそうだ。

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