寄生虫卵のんで自己免疫疾患が改善 世界注目の療法とは?

東京慈恵会医大熱帯医学講座の嘉糠洋陸教授(C)日刊ゲンダイ

「ようやく安全性評価の臨床試験を始めた日本は、海外に比べてすさまじく遅れている」

 こう指摘する嘉糠教授が寄生虫卵内服療法に期待するのは、安全性とともに、安価である点だ。 

 自己免疫疾患は前述の通り、完治が難しい。薬を飲みながら、上手に疾患と付き合っていかなくてはならない。ところが効き目の強い薬は非常に高価で、経済的な理由から治療継続を断念せざるを得ない患者もいる。さらに、高価な新薬を用いてもうまくコントロールできない患者もいる。

「一方、豚の寄生虫を用いた寄生虫卵内服療法は、1匹の豚から大量の寄生虫を採取でき、安定供給が可能。価格を低く抑えられるのです」

 今、用いられている寄生虫卵は日本円に換算して2万5000円ほど。たった1回の服用で2週間ほど効果が持続する。

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