きちんと説明を聞いて、覚悟はできました。ただ、ライブを控えていたので「手術を1カ月延期できませんか?」と先生に相談してみたんです。すると、「そんなことをしたら、どんどん悪化してしまいますよ」と言われ、いま何を優先すべきかを考えました。
■味覚の変化や排尿障害も
手術は6時間50分の長丁場。生まれて初めての全身麻酔でした。術後、名前を呼ばれたときは傷口が痛く、とにかく寒くて震えが止まりません。病室に残った父に手を握ってもらいました。無性に人肌が恋しくて、皮膚のぬくもりが欲しかったことを覚えています。
手術を受け、これで無事治療も終わりと思っていたのですが、わずかにリンパ節に転移が認められ、抗がん剤治療をすることになりました。予想していなかったことだったので、この先どうなるのかと不安が募りました。
独白 愉快な“病人”たち