笑うより効果的? 「泣いて元気」になる脳のメカニズム

「泣ける本」に浸って思い切り泣くのも手(C)日刊ゲンダイ

「日本薬理学雑誌」(2007年)に発表した論文によると、「泣くビデオ」「笑いのビデオ」などを各30分見せて、前頭前野の血流変動などを調べたところ、笑いは、泣きに比べて血流変動の程度が弱く短時間であった。その後の心理テストから「号泣」は脳全体をリセットし、スッキリさせる効果があったが、笑いは元気にはしてもそこまでの効果は得られなかった。

「つらい、悲しいなど感情が揺れると、その刺激が脳の中の目の奥にある視床下部に伝えられます。そこは自律神経の司令塔で、緊張や興奮を促す交感神経とリラックスや安心を促す副交感神経のバランスを取り内分泌機能も調整します。視床下部が刺激されると副交感神経が優位になり、その働きで涙腺が刺激され涙が出るのです。つまり、泣くという行為は交感神経が優位の緊張した状態から、副交感神経が優位のリラックスした状態に一気に変わったということなのです」(林院長)

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