末期がんからの生還者たち

中咽頭がん<4>「母親に笑顔が戻ったことがうれしかった」

三枝幹弥さん(提供写真)

 創業50年という宝飾業の副社長(現・社長)である。山梨、富山に工場などを持ち、東京・上野で販売業も手広く営む。社員は200人いる。

■東京マラソン3年目で初完走

 三枝さんは、「私ががんを告知されたとき、会社の朝礼で社員にがんであることを話しました。問題は、入院治療中に留守にする4000件からの取引相手と、金融機関の反応です。幸い『役員を連れて説明に伺います』と、皆さんが温かく励ましてくれた。感激しました」と語る。

 社会復帰後、まず体力を回復しながら、体重15キロ減(がん告知当時は74キロ)を元に戻そうと、1日に2~3キロ歩き続けた。

 病院で精密検査を受け、「がん再発の兆候がありません」との診断結果に自信を持ち、2012年2月には「東京マラソン」に参加した。翌年、翌々年とその後も参加。14年には42・195キロのコースを6時間35分で完走する。

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