内臓5つ摘出も元気 建築家・安藤忠雄氏に聞く“生きる力”

「病気をしてから本を読む機会ができた」と語る安藤忠雄氏/(C)日刊ゲンダイ

 7月10日、京都大iPS細胞研究所の山中伸弥さん(55)との対談を終え、翌朝8時から10時間、手術しました。後になって山中さんから「(手術することを)言ってくれたら」と気遣っていただきました。「できるだけ早くiPSで膵臓作ります」とも言ってもらいましたが、今はすっかり元気なので、もういりません。主治医に「5つも内臓取って生きていけるんですか」と聞いたら「生きている人はいますが、元気になった人はいません」と言われました。元気になった第1号です。

 なぜ、そこまで全力疾走するか。できる限りのことをやりたいからです。

 常に前を向いて新しいことを考え続けていると、元気になります。いいこともありました。病気をしてから、毎日、昼食後は1時間半休憩をとるようになりました。昔、最後まで読めなかった本、理解できなかった本を読む機会ができました。それがまた、私にとって「生きる力」になっているのです。

4 / 5 ページ

関連記事